引っ越しで荷物を全部捨てたい人へ 不用品回収業者の選び方と費用相場を解説

引っ越しを機に「もう全部捨てたい」と思っても、何から手をつければいいのか迷う人は少なくありません。

捨て方や費用、業者選びを間違えると、時間もお金も余計にかかってしまいます。

この記事では、仕分けのコツから費用相場、安心できる業者の選び方までをわかりやすく解説します。

片付けをスムーズに行いた方はぜひお読みください。

引っ越し時に荷物を全部捨てる手順

引っ越しをきっかけにいっそ全部捨てたいと思っても、やみくもに片付けると時間も気力も消耗してしまいます。まずは落ち着いて、荷物の整理を分けると処分方法を決めるという2つのステップに分けて進めていきましょう。

捨てるものと残すものを分ける

最初のステップは、持ち物をいきなり捨てるのではなく、残す・迷う・手放すの3つに分けることです。

半年以上使っていない物や、壊れている物、サイズが合わない物は手放す候補になります。一方で、よく使う日用品や新居でも必要になる家電は残す方に入れましょう。

思い出の品は感情に左右されやすいので、最初から判断せず、いったん迷うに入れて最後にまとめて見直すと落ち着いて決めやすくなります。

この分け方なら、後悔せずスムーズに整理を進められるでしょう。

荷物に合った処分方法を選ぶ

仕分けができたら、次は荷物の量や状態に合った処分方法を選びます。

少量の粗大ごみなら自治体の回収を使うと費用を抑えやすく、まだ使える家電や家具はリサイクルショップやフリマアプリで売ることもできます。

一方、家具や家電が多かったり、一気に片付けたい場合には不用品回収業者を利用すると、運び出しから積み込みまでまとめて任せられてスムーズです。

ただし、引っ越し日が近いと予約が埋まりやすいため、早めにスケジュールを確認しておくことが大切になります。

捨てるものと残すものの分別方法

引っ越しで全部捨てたいと思っても、いざ仕分けを始めると「これは残す？捨てる？」と迷ってしまうものです。ここでは、後悔を減らしながら荷物を減らせる、分かりやすい3つの判断基準を紹介します。

① 使用頻度で判断する

最初の判断基準は、直近でどれくらい使っているかです。

過去半年から1年間まったく使っていない物は、今後も使う可能性が低いため処分候補になります。季節物については、前のシーズンに実際に使ったかどうかを振り返ってみましょう。

いつか使うかもと感じる物ほど、次に使う具体的な場面を思い描けるかが重要です。はっきりした使用場面が浮かばない場合は、思い切って手放す決断も前向きな選択です。

明確な期間基準を設けることで、迷いを減らして効率よく仕分けを進められるでしょう。

② 状態と必要性で判断する

二つ目の判断基準は、物の状態と新生活での必要性です。

壊れている物や明らかに劣化している物、サイズが合わない衣類などは使える状態ではないため手放す候補になります。

新居の間取りや収納スペースをイメージしたとき、置き場所がない、動線の邪魔になりそうと感じる物も今の暮らしには合っていないサインでしょう。

まだ使えるという理由だけで残すのではなく、これから積極的に使いたいかという視点で考えると気持ちよく手放せます。

新生活に本当に必要な物だけを選ぶことで、すっきりした環境で暮らし始められるはずです。

③ 思い出の品は形を変えて残す

三つ目の判断基準は、思い出の残し方です。写真や手紙、子どもの作品などは心の中では大切でも、そのまま保管するとスペースを大きく取ってしまいます。

全部を残すのではなく、思い入れの強い物だけを数点選び、ほかはスマートフォンで撮影してデジタルデータとして残す方法があります。

デジタル化すれば場所をとらずにいつでも見返せて便利でしょう。物ではなく記憶を残す発想に切り替えると、手放すことへの罪悪感も軽くなります。

本当に大切な思い出だけを厳選することで、心にも余裕が生まれるはずです。

引っ越しで全部捨てたいなら、不用品回収業者を利用するのがおすすめ

荷物を全部捨てたいけれど、自分だけではとても終わらないというときは、不用品回収業者を使うと一気に片付きます。

日時の調整から運び出しまで任せられるので、忙しい引っ越し前でもムリなく処分を進められます。

希望日に合わせて柔軟に回収を予約できる

不用品回収業者に頼む大きなメリットは、予定に合わせて回収日時を決めやすいことです。

自治体の粗大ごみ回収では、決められた収集日を待つ必要がありますが、不用品回収業者なら土日や仕事終わりの時間帯にも対応してもらえます。

業者によっては早朝や夜間の回収にも応じてくれます。退去日まで日数が少ない方や、忙しくて時間がとりにくい方でも、スケジュールに合わせてスムーズに処分を進められるでしょう。

引っ越し前日の片付けといった急な依頼にも柔軟に対応してくれる業者が多く、即日対応が可能なケースもあります。

必要なものはスタッフが丁寧に仕分けてくれる

部屋の中に物があふれていると、何が必要で何がいらないのかを自分だけで判断するのは大変です。

不用品回収業者の中には、事前のヒアリングをしたうえで、一緒に必要な物と不要な物を確認しながら作業してくれるところもあります。

作業中に貴重品や重要書類が出てきた場合には、処分せずに保管しておいてくれる業者も少なくありません。

指さしや声かけで確認しつつ、必要な物は残し、明らかに不要な物だけを運び出してくれます。大事な物まで間違って捨てられたらどうしようという不安を減らしながら片付けを進められるでしょう。

片付けや清掃までまとめて任せられる業者もある

不用品の回収だけでなく、部屋の片付けや簡単な掃き掃除・拭き掃除までセットで対応してくれる業者もあります。

床に散らばったごみの回収や、家具を運び出したあとのホコリ取りなど、自分では手が回りにくい部分までまとめてお願いできるのが特徴です。

生活していた状態のままの部屋でも、作業員が丁寧に片付けてくれるため、荷物を運び出したあとに自分で一から片付け直す必要がありません。

ごみ屋敷レベルの量でも対応してくれる業者もあり、一人では片付けきれない場合にも心強い存在といえるでしょう。時間と体力の節約につながります。

退去前のハウスクリーニングまで依頼できる

引っ越し前は、荷物の整理だけでなく部屋の原状回復も気になるところです。

不用品回収と一緒に、ハウスクリーニングまでお願いできる業者もあり、キッチンや浴室、床や窓などを専門の道具と洗剤できれいにしてくれます。

回収・片付け・清掃をまとめて依頼すれば、複数の業者に連絡する手間も減らせるでしょう。

プロの技術で通常の掃除では落としきれない汚れもスッキリと除去できるため、仕上がりの質が違います。

賃貸の場合は退去時の印象にもつながるため、荷物はなくなったけれど部屋が汚れたままという状態を避けたい方にとって大きなメリットです。

引っ越しで全部捨てる場合にかかる費用目安

荷物を全部捨てると、いくらくらいかかるんだろうという不安を解消するために、不用品回収・片付けサービス・ハウスクリーニングの費用感と、料金が高くなりやすいポイントをわかりやすく整理します。

不用品回収のみを依頼する場合の費用目安

不用品回収だけをお願いする場合、料金はトラックの大きさと積む量で決まることが多いです。

軽トラックに1人暮らしの荷物を積み切るプランで8,000円から25,000円ほどが目安となります。

1tトラックを使う1DKから1LDKクラスでは30,000円から50,000円前後、2tトラックを使う2DK以上の家財が多い場合は50,000円から80,000円前後になるケースもあるでしょう。

業者によって積み放題プランの内容や基本料金の設定が異なるため、料金だけでなく作業内容もふくめて見積もりで確認するのが賢明です。

トラック別料金の目安

片付けと不用品回収の両方を依頼する場合の費用目安

物が散らかっていて分別からお願いしたい、箱詰めや袋詰めも任せたいという場合は、片付け作業と不用品回収がセットになったサービスを利用します。

料金は作業するスタッフの人数と時間、不用品の量で決まるため、1Rから1Kなら30,000円から60,000円前後が相場です。

2DKから2LDKクラスでは100,000円から250,000円になることもあります。

自分で分別する手間が省けるぶん、回収のみより費用は高くなりやすいのが特徴でしょう。

どこまで自分でやるか、どこから業者に頼むかを決めてから見積もりを取ると、予算と作業内容のバランスを調整しやすくなります。

間取り別料金の目安

ハウスクリーニング料金の目安

退去前にハウスクリーニングが必要な場合は、片付けや不用品回収費用にプラスする形で依頼できます。

料金は部屋の広さと清掃範囲で変わり、1Kから1LDKで25,000円から48,000円、2DKから2LDKで45,000円から100,000円が相場でしょう。

水回りだけ、床や壁だけといった部分清掃なら、それぞれ6,000円から20,000円ほどで対応する業者もあります。

片付けや不用品処分とセットで依頼すると割引してもらえる場合もあるため、原状回復が必要な賃貸物件では一緒に見積もりを取るとお得になるケースがあるでしょう。

ハウスクリーニングの費用目安

追加費用が発生する条件(階段・深夜・家電・人員など)

見積金額とは別に、当日の状況によって追加費用がかかる場合があります。

よくある例として、表にまとめました。また、家電リサイクル法の対象となるテレビや冷蔵庫などの処分費、予定より多くスタッフが必要になったときの人件費などもあります。

後から聞いていない追加料金が発生しないように、どんな場合にいくら追加されるのかを見積もりの段階で必ず確認しておくのが重要です。

追加費用の例

見積書の見方と確認すべき明細項目

トラブルを防ぐためには、見積書の内容をしっかり確認することが大切です。

チェックしておきたいポイントは、基本料金・車両費・人件費・処分費・オプション作業費などの項目が分かれているかどうかでしょう。

また、量が増えた場合の追加料金の計算方法、階段や駐車場所による加算の有無、キャンセル料がかかるタイミングも書面やメールで残してもらうと安心です。

金額だけでなく作業範囲や条件もふくめて納得できるかどうかを基準に業者を選びましょう。

見積書に含まれる項目が曖昧だったり、口頭説明だけで書面がない業者は避けるのが無難です。

複数の業者から見積もりを取って比較すると、相場感もつかめて適正価格を判断しやすくなります。

見積書で確認すべき項目

• 基本料金(トラック代・出張費)
• 作業費(人件費・搬出作業費)
• 処分費(品目別の処理費用)
• オプション費(階段・解体・深夜など)
• 追加料金の発生条件
• キャンセル規定

安心して任せられる不用品回収業者の選び方

不用品回収業者の中には、きちんと許可を取ってまじめに営業している会社もあれば、高額請求や不法投棄などのトラブルを起こす業者もいます。

ここでは、初めて依頼する人でも安心して任せられる業者を選ぶためのポイントを解説します。

許可証(古物商・産業廃棄物など)を確認する

安心できる業者かどうかを見るときは、まず「どんな許可を持っているか」をチェックしましょう。

公式サイトの会社概要などに、古物商許可番号や一般廃棄物収集運搬業許可番号がきちんと載っているかが一つの目安です。

許可番号がまったく書かれていない、会社名や所在地があいまいといった場合は要注意です。

心配なときは、自治体の許可業者リストで確認したり、業者名で検索して情報を調べたりしてから依頼すると安心度が高まります。

見積書が明確で追加費用がないかチェックする

トラブルで多いのが、当日になって高額な追加料金を請求されるケースです。これを防ぐには、事前に見積書を必ずもらい、料金の内訳をよく確認することが大切です。

以下の点をチェックしましょう。

• 基本料金・トラック代・作業費・処分費などが分けて書かれているか
• 量が増えたときに追加料金が発生するか
• 階段しかない建物の場合に追加料金が発生するか
• 深夜や早朝の作業で追加料金が発生するか

見積もり以外の追加料金はかからないなど、条件を書面やメールで残してもらえる業者は信頼度が高いです。

口コミ・実績・作業写真で信頼性を判断する

料金だけでなく、その業者が実際にどんなサービスをしているかも確認しましょう。

ホームページやGoogleマップの口コミ、比較サイトのレビューなどで、利用者の声を見ておくと安心です。

説明がていねい、時間どおりに来てくれたなど具体的な評価が多い業者は、信頼できる可能性が高くなります。

また、作業前後の写真や事例を公開している会社は、自分たちの仕事に責任を持っている証拠にもなります。

口コミの評価が極端に低い場合や、情報がほとんどない業者は慎重に検討しましょう。

説明の丁寧さ・対応スピードも判断材料にする

問い合わせたときの対応も、大事なチェックポイントです。

以下の点を確認しましょう。

• 質問にきちんと答えてくれるか
• 料金や作業内容についてわかりやすく説明してくれるか
• メールや電話の返事が早いか

これらは安心して任せられるかの目安になります。逆に、今すぐ決めれば安くするなど急かしてきたり、はっきり答えずごまかすような業者は注意が必要です。

複数社に問い合わせて、説明の分かりやすさや対応の丁寧さを比べ、その中からここなら任せても大丈夫そうと感じるところを選びましょう。

引っ越しで家財や荷物を全部捨てる際の注意点

引っ越し前に家の中の物を全部捨てたいと思っても、急いで進めると大事な物まで手放したり、トラブルになることがあります。ここでは、心配なく荷物を片付けるために、最低限知っておきたい3つのポイントをわかりやすくまとめました。

個人情報の含まれる書類・家電の処理に注意する

銀行の明細書や保険の書類、スマホやパソコンには、名前や住所といった大切な情報が入っています。

こうした個人情報をそのまま捨ててしまうと、悪用されるおそれがあるため注意が必要です。

個人情報が含まれるものの処理方法

• 紙の書類:細かく破るか、シュレッダーにかける
• スマホ・パソコン:初期化してデータを完全に消去する
• データ消去が心配な場合:データ消去サービスがある業者に依頼する

不用品回収業者に個人情報が含まれる書類やパソコンを処分してもらう場合、処分された書類やパソコンから個人情報が漏れる危険があります。

あとで困らないように慎重に対応しましょう。

契約内容・追加料金・キャンセル規定を確認しておく

不用品回収では、思ったより高くなったという相談が国民生活センターに寄せられています。その多くが追加料金に関するトラブルでした。

よくある追加料金の例

• エレベーターなしの階段料金
• 家電のリサイクル料
• 夜間作業や当日対応の追加費用
• 分別が必要な場合の作業費

トラブルを防ぐ2つのコツ

• 見積書を必ずもらう(口頭だけは絶対にNG)
• どこまでが料金に含まれているかを事前に全部確認する

消費者庁の注意喚起でも、作業前に見積金額を示さない業者や、定額パックと広告していながら高額請求する業者は避けるよう呼びかけています。

キャンセルできるタイミングも業者によって違うので、あらかじめ聞いておくと心配ありません。

作業にかかる時間と当日のスケジュールを把握する

不用品を片付ける時間は、荷物の量や部屋の広さで大きく変わります。引っ越しの立ち会いや鍵の返却時間と重なると大変なので、事前にスケジュールを確認しておきましょう。

作業時間の目安

業者に依頼する際は、作業は何時から始まるのか、だいたい何時間くらいで終わるのかを事前に確認しておくことが大切です。

自治体の粗大ごみ回収を使う場合は、申し込み日が決まっていたり、回収まで1〜2週間かかることも多いため、退去日から逆算して早めに動くのが安心です。

まとめ

この記事では、引っ越しで荷物を全部捨てる際の手順や業者選び、費用相場から注意点まで幅広く解説しました。

不用品回収業者を活用すれば、日時の調整から片付け・運び出し・清掃まで一貫して任せられるため、忙しい引っ越し前でもスムーズに処分を進められます。

料金は荷物の量や作業内容で変わりますが、見積書の内容をしっかり確認し、許可証や口コミで信頼性を見極めることが大切です。

個人情報の処理や契約内容の確認といった注意点を押さえておけば、トラブルなく安心して任せられるでしょう。

新生活を気持ちよくスタートさせるためにも、信頼できる業者を選んで計画的に片付けを進めることをおすすめします。